管理人の戯れ言(1)
テラシマ的美麗曲銀盤出来
「く〜っ、タマランッ!」の74分39秒…Jazz Bar 2003

DIW Records TYP-003
\2,520-(税込)

メグに行くときはいつも中央線の最後尾に乗り(東京方面からね)、ホーム最後方の改札を使う。そのままエスカレータを降りると、ディスクインのJazz売り場に出る。そこでいつも「いま、どんなのが出てるかな?」と、横目で新譜を確認しつつ、脇の出口からメグに急ぐ。
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12月のある日、いつものように通り抜けようとしたら、なかなかに渋いテナーの曲が耳に飛び込んできた。確かめると、これが寺島靖国プレゼンツ「Jazz Bar 2003」に収録されている1曲(タイム・アフター・タイム/ヤン・コーレ・ヒスタッド)だったわけですね。
『2003をいちばんベストのものにするんだから。真剣ですよ、私は』と、新譜発売のチラシで叫んでおられるように、好評のJazz Barシリーズの3匹目のドジョウ…もとい、第3弾にして、シリーズのベストが発売された。

ヴォーカルあり、ピアノトリオありで全12曲。いずれも昨年に寺島サンが発見した美曲麗曲をよりすぐったコンピレーションアルバム。発売元のDIWをはじめ、ガッツプロダクションやスパイスオブライフ、はたまたJustin Time、Geminiなど、洋の東西を問わずレーベルを超えて集められているところがエライ。
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さっそくトレイにセットして1曲目(ラ・ゾラ/クレイジー・エナジー・ジャズ・カルテット)の恰好良さにまずシビレ、カーラ・ヘルムブレヒトの哀愁に酔い、ディスクインで耳にしたヒスタッドのテナーに「やっぱ、えぇな〜♪」と相好を崩しするうちに一気に12曲目まで堪能してしまいました。

ところでこのCD、DIWの制作担当氏が、寺島サンと収録の曲順を決めるやりとりを記録してライナーに仕立ててあるのだけれど、なんと一度決定した曲順を土壇場でご破算にしてやり直しというところから始まっている。担当氏は先に決定したものによほど未練があったのか、ボツ案の曲順までしっかり記載されております。
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で、わたくし、さっそくボツ案の順でも聴いてみましたね。なんか、座りが悪いわけですよ、全12曲を通して聴いたとき。完成型の曲順に比べると、曲によってはちょっと澱むような感じを受けたりして、どーも没頭できない。
いや、曲順ってのは大事なんですね。今回はアルバム1枚の中でのお話だったわけですが、休日に「さて、何をかけようか…」と選ぶときも、曲順を蔑ろにするとその日のジャズ時間の充足度が低くなってしまう場合も考えられるワケです。ふむ、これからは心してかからねば。

というわけで、ボツ案の曲順を試してみたい方は、ぜひこの「Jazz Bar 2003」をお買い求めくださいまし(笑)。
メロディー道楽。リズム沐浴。ジャズ三昧に浸れる、まさに贅沢盤であります。


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